リラクゼーションケアの活用 音楽療法 第2回

音楽療法の対象領域

対象領域としては、医療、福祉、教育、保健という実践領域の広がりの中で、疾病や障害別の音楽療法研究や取り組みが進み、適用する対象領域も広がりをみせています。
統合失調症や神経症の「精神障害」、心身症や行動障害の「情緒障害」、自閉症や精神遅滞の「発達障害」、言語・視覚・聴覚障害や肢体不自由などの「機能障害」、高齢者の健康維持と活性化や認知症の進行防止と改善、QOLの向上の「高齢者の為に……」、心療内科や検査時、歯科や産科の苦痛軽減、手術前後の不安軽減、血圧の正常化や不眠症対策、ICUでの精神安定、過敏性腸症候群などの「医療現場」で、職場や家庭における健康保持やストレスの緩和、感情コントロール、メンタルヘルス・ケアなどの「健康管理」の多種の領域で活用されています。

音楽と言う媒体は、心身の様々な段階に作用し、内的世界を賦課し、同時に外的世界への橋渡しとして機能していくと考えられます。
加えて、現実世界への感情の表出や身体運動はコミュニケーションとなり、人とのかかわりを通して自己実現に向かってエネルギーをもつことに繋がっていくと思われます。