ソシオエステティックの検証にあたって……。

病床末期の患者さんは、死の受容が出来ない方も多く、加えて、痛みや浮腫で身体の形状が変化している人も少なくありません。 特に感情の起伏も激しくなっています。
そのため、会話を少なめにし、ソフトなスキンタッチだけで、相手と気持ちを通わせるよう努めています。
リラックスを重視したアプローチでソシオエステティックの施術を行なうと、一時でも、緊張や不安から解放されるのか、表情が穏やかになり笑顔が絶えません。
また、気持ち良さそうに熟睡されます。  高齢者の入所、通所者には、様々な病状を持つ認知症の方が多いです。
その為、なるべく意識が覚醒するように会話をしながら、軽快な気分に導きます。
お顔のマッサージやメイク、ハンド、ネイルケアなどを行ない、綺麗になったお顔を鏡で確認してもらうと、鏡を放さず、和らいだ表情が見られます。
美しさの再認識ができて、若い頃、元気だった頃の自分が懐古されるのでしょうか?
「亡くなった主人が見たら、喜んでくれるかしら?」
と幸せだった頃の想い出話をされ、とても穏やかな笑顔で、幸福感に満たされた表情を見せてくれます。
自宅へ帰って社会復帰しようという前向きな姿勢が表出し、周囲の人の面倒をみたりする行為も出て来ます。

このように、ソシオエステティックを行なうことは、緊張や不安から解放され、リラックス感が高まり、ポジティブな意欲が湧き、自立的な行動を促し、幸福感が満たされるなど、QOLの向上が期待できると予想されます。

今後も、現場に赴き、これらのことをより検証して参ります。