「高齢者に対するケア」として、医療・介護施設に入所している高齢者には、知覚神経への刺激や言葉を用いてケアを行ないます。
身だしなみを整えてあげることで、高齢者が自分らしさを保つことができるよう促します。
このようなケアを通じて、高齢者に活力を取り戻させ、生きることを受け入れられるよう支援します。
また、「社会分野への活用」としての意義があります。
自分自身の魅力を引き出す方法を知る事は、回復への一歩へとなります。
一時的に社会から疎外された状態にある患者は、施術を通して刺激を受け、「実際の自分」と「他人から見た自分」とのバランスを取ることにより、社会に復帰する可能性を探る事ができます。
休職中の者は、自分自身に自身を持ってより良い条件で就職ができるよう取り組むようになります。
更に、我国では、まだ取り組めていない「矯正施設への活用」があります。
収監されている女性に、女性としての尊厳を取り戻させることで、収監により社会性が失われる事を最小限に留めます。
彼女達の新しい人生設計に寄り添い、釈放後の社会復帰を促すのです。
つまり、ソシオエステティシャンの施術とは、一時的に自分自身の価値が評価されない状況にある者に対して、その状況を忘れさせる為のものに他なりません。
「一人の人間として認められたい」という、誰もが生まれながらに持っている欲求を満足させるものです。
フランスでは、以上のような目的のもとに、ソシオエステティックの活動が行なわれています。
