ソシオエステティックの手法と効用 第3回

ソシオエステティックの効用として、「社会復帰」につなげる役目があります。
患者は、看護や介護をする者から、無意識のうちに病気のイメージを伝えられることがあります。
また、訓練士から阻害感を抱かせられる方も少なくありません。
ソシオエステティシャンは、そうした患者に対し、外界での生活や生きることへの希望を思い出させる役割を担います。
ソシオエステティシャンとは、多くの患者にとって社会生活を象徴するものであり、人生を継続するために開かれた扉です。
ソシオエステティシャンの使用する化粧品の心地よい香りや色は、その扉を開くきっかけとなってくれます。
医師や看護師による問診とは異なり、病気そのものに直接触れることなく傾聴することは、患者とのコミュニケーションを容易にするひとつの方法でもあります。
直接、手で触れながら行なう私達の仕事は、鏡を前に行なう事が多いです。
鏡を介してお互いの姿を見る事が出来るため、眼差しによる交流も可能となります。
これは、患者と直接向き合う為の最初の一歩であり、他者との交流を通して生まれる感情や対話を再発見してもらう事につながります。
このようにソシオエステティシャンの仕事は、これまでにない新しい役割を担うものです。
これに対応する事ができる人材を養成するには、特別な教育が必要であり、エスプリは、その一旦を担える様、努めています。