ソシオエステティックの手法と効用 第2回

ソシオエステティックの効用として、「自己イメージの再構築」があります。
「自己イメージの再構築」を図るため、ソシオエステティシャンは、各個人に合わせた化粧法を施しています。
この化粧法は、『ボンヌ・ミヌ:良い顔色手法』と言われています。
『ボンヌ・ミヌ』を用いて肌の状態を改善する事で、患者に自信を持たせ、尊厳と生き甲斐を取り戻させ、入院生活や社会的挫折によって失われた個性の回復を図ります。
多くの患者は、病院や施設などでの滞在が長引く事により、心の病を抱えるようになります。
病人、高齢者、失業者、受刑者などとして扱われる事で、精神的に「画一化」され、次第にアイデンティティが失われていくように感じるのです。
こうした危機的状況が続くと、どんどん自分を見失っていき、更には、自らの存在をうまく位置づけられなくなってしまいます。
昔から、メイクや外見に気を遣う事を軽薄な事と考える向きもありますが、ソシオエステティシャンが行なうメイクは、通常のメイクとは全く異なるものです。
ソシオエステティシャンの仕事は、細やかな配慮を通して、不運によって歪められた自己イメージや加齢や病気により損なわれた自己イメージを改善させることです。
そして、患者の不安を和らげて自信を回復させ、また、患者自身が置かれた状況を乗り越え、再び尊厳を取り戻せるよう手助けすることです。